生きるって難しい。
暗い闇に包まれて、深く深く。
心が蝕まれていく。
(もう生きていたくない)
そう思って屋上まで来てみる。
でも。
死ぬのも難しい。
家族に迷惑がかかるし。
第一飛び降りなんて原型もとどめない。
生きるのも難しい、かといって死ぬのも難しい。
どうすればいいのか…。
だから今日も、僕は理由をつけては逃げてる。
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愛してる、会いたくて気が狂いそうだ。
毎日想う。
この手で抱きしめたい。
なのに。
何故君は他の男と楽しそうにしているの?
僕はこんなにも君を愛しているのに…
教えてほしい、僕のなにがいけないの?
その男はきっと屑だ!
彼女は騙されている…!
僕が守らなくては。
帰宅し、玄関のドアを開ける君。
彼女に思いを伝えるなら、今だ!今しかない。
僕はそう思い、彼女の部屋へと入った。
「僕は君を傷つけたりはしないよ?愛しているんだ!だから僕と結婚しようね?」
彼女が僕を拒むはずもない。
そう思っていたのに。
なのに…なんだい?
その目は。
「誰?!いや、助けて…!!」
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気が付くとすっかり朝になっていた。
(あの子は?寝ているのかな?)
僕は寝室へと向かった。
そこには血まみれの彼女の姿があった。
ピクリともしない彼女の亡骸だった。
何故?誰が?昨日の記憶が混濁していて、思い出せない。
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数週間後…。
警察がきた。
僕は殺人の容疑で捕まった。
「僕じゃない!僕なわけがない!僕は彼女を、彼女だけを愛していただけなんだ…!」
僕の叫びは虚しく空へと響いた。
ふと思う。
僕の血の色は何色なんだろう。
虐められ、あいつは、人間じゃないんじゃね?(笑)とか言われてしまう始末だ。
皆は綺麗な赤い血。
本当は僕はすごく強くて、虐めにも屈しないヒーローなんじゃないか??
ヒーローは強いから血の色もきっと特別に違いない!!
確かめたい…!!
僕は包丁を自分に突き付ける。
切りつけて切り付けて…。
あれ?おかしいな…僕もみんなと同じ綺麗な赤い血だったよ。
そう言って僕は意識が途絶えた。
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