キラキラしていて、とてもきれいに見える。
逆に嫌いなのは醜いもの。
鏡をみて、反吐がでる。
彼女が世界で一番嫌いで醜く感じるもの。
それは、彼女自身。
洗顔の時、歯磨きの時。
彼女自身の顔を嫌でも見てしまう。
その数分のたった数分の時間さへ、恐怖なのだ。
でも、鏡をみるのが好きな時がある。
それはメイクの時。
メイクは別人になれるから。
とても可愛く、素敵な時間。
メイク道具を買う時、幸せな時間。
だから彼女は、ポストを見に行くときですらお化粧しなきゃ出れない。
外でいつ人が見てるかわからないから。
怖い、他人の目が怖い。
同年代の子たちは彼氏がいる。
彼女には考えられない。
メイクを落とした顔をみせるなんてことが出来ない。
だから彼女はSNSで誰よりも、輝く。
彼氏なんて要らない。
すっぴんを見せる相手なんて、この世から消え去ればいい。
そんな風に考えてしまうのは、罪だろうか?
否、罪ではないと考えている。
今日もほら。
いいね♡が沢山ついてる…。
彼女はそれを見て。
身体の奥底から湧き上がる感情を抑える。
「そうね、私は一番美しいの。あたり前な結果なのよ…」
コメントが来ている。
(あなたの心から本当に、美しいの?)
「なによこれ…。」
苛立ちを覚える。
イライラしてついコメントに書いてしまった。
(あんたなんてどうせ不細工なんでしょう?僻みもいいところよ!)
と。
すると世界は一変した。
(誹謗中傷とかないわ。)
(いいね♡をとりけしまーすw)
(調子にのるな!)
手のひら返し。
彼女はわなわなと震える。
「なに…?なによこれは…?!」
そして彼女は発狂し、醜い人生を歩むことになりました。
________________________
以上が昔話だよ。
僕はね、思うんだ。
見た目なんかどうでもいいと。
心が綺麗じゃないと本当の美にはたどり着けないと、ね。
痛いほど好き。
好き…?違う。
これは好きじゃなく愛なのよ。
あなたを愛している。
そう、あなたが過ちを犯したとしても。
あなたを愛しているわ。
だから許してね?
あなたを愛しているからこそ。
私だけの箱庭に閉じ込めるの。
大事に、あなたを何者にも触れさせわしないわ。
しっかりカギをかけて…。
檻の中を覗き込む。
今日もきれいな瞳をしているわね…。
身体も綺麗よ…。
あぁ…あなたを心から、愛しています。